幸せ風船 vol.140
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交わされる最も深い約束。見えない絆が、時を超え、空間を超え、二人を再び繋ぎ合わせるその時まで。そしていつか、私自身が愛する人を見送る日が来たとしても、あの指輪のように、優しく静かに、想いをつなぐことができたなのです。会館の庭に咲く美しいラベンダーをそっと摘み、その花を優しく編んで輪を作り、まるで指輪のように形作ったのです。ご主人はそのラベンダーの花の指輪を受け取ると、静かに奥様の耳元でささやきました。「来世でも、また君を見つけられるように」その一言に込められた想いは、言葉以上に深く、私たちの心を揺さぶりました。奥様の指にその花の輪をそっとはめた瞬間、香りが静かに広がり、まるで時間が止まったかのように、その場にいるすべての人々が涙をこぼさずにはいられませんでした。その後、ご主人は深く一礼し、私たちに向かってこうおっしゃいました。「こんなにもあたたかい時間を、本当にありがとうございました。彼女も、きっと喜んでくれていると思います。私ひとりでは、ここまでしてあげられなかった…。あなた方のおかげで、彼女を安心して送り出すことができました」その言葉に、私たち自身も救われた気がしました。私たちの仕事は、誰かの「最後の願い」にそっと寄り添うこと。けれど、この日ほど、その重みと意味を実感した日はありません。死者の声はもはや聞こえなくても、彼らの想いは確かに生きている。見えないけれど、しっかりとした絆が私たちを繋いでいることに、気づかされる瞬間があるのです。ラベンダーの香りは、やがて薄れていくかもしれません。それでも、その香りに込められた想いは、永遠に色あせることはありません。その香りとともに、彼らの心は一つになり、魂は何度でも巡り会うことを約束しているのです。草の輪は儚いものです。けれど、その丸い形が示すのは、永遠に途切れることのない「縁」。現世で交わされた約束は、来世で再び二人を導くと信じて。その輪が描く軌跡は、決して消えることなく、いつか再び二人を結びつけることでしょう。それは、単なる指輪ではなく、魂の中でら̶。そう、心から願わずにはいられないはかな第5回「やさしいストーリーコンテスト」の応募作品の中から、厳選された10編を1冊にまとめました。セルビスの施設に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。「やさしいストーリー VOL.5」をご覧ください。          10

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